超次元融合についての考察


『ライジンオー』も中盤に入った第29話から、ベルゼブが「必勝の策」として投入した「超次元融合」。
この超次元融合について、細かく検証を加えることによって、その内容を考察してみたい。

超次元融合を行う際は、まずベルゼブ&ファルゼブが「ジャークサタン!超次元融合!」と叫んで黒い稲妻を迸らせる。
この黒い稲妻を使い、邪悪獣の幼生体を正八面体型のジャークフィールドに覆うことによって、空中へと固定。
そして、このジャークフィールド内の幼生体を、容赦なく×字に切り裂くことで、ジャークサタンと邪悪獣の二体は黒い影のようなエネルギー体となって融合、スーパー邪悪獣へと変貌を遂げるのである。

なお、邪悪獣の幼生体を固定するジャークフィールドを作るのには、それまで邪悪獣をパワーアップさせるためのエネルギーとして使われていたジャークパワーが、使用されているものと推測される。
恐らく、邪悪獣をパワーアップさせてからの超次元融合は、エネルギーの問題から不可能だと思われ、事実、この仮説を証明するかのように、「打倒ライジンオー」に邁進したベルゼブが、そうした戦法を取ったことは、ただの一度もないのである。

さて、この超次元融合は、第41話から、空中に固定したジャークフィールド内にジャークサタンが溶け込むような形で融合するように変化する。
これについては、その前の第40話において、ライジンオーを操縦していたのが、地球防衛組を名乗る子供たちであったことを知ったベルゼブが、激怒したことに理由を求めることができよう。
三次元に来るまでは、連戦連勝の指揮官だった戦士ベルゼブに、度重なる敗北を味わわせたライジンオーと、それを操縦していた防衛組の子供たち。
この文字通り忌々しい存在に対する「怒り」が、ベルゼブの五次元人としてのジャークパワーを更にアップさせ、ジャークフィールド内の邪悪獣を切り裂くようなことをしなくとも、ジャークフィールドに包んだ瞬間に、邪悪獣をジャークエネルギーへと変貌させ、一瞬のうちに、スーパー邪悪獣となることが可能になったのだと思われる。
つまり、超次元融合の仕方の変化は、ベルゼブがジャーク帝国の戦士として、更なる進化を果たした証拠と言えるのだ。

なお、超次元融合は、あくまでもベルゼブたちが編み出した戦法であり、元からジャークサタンに備わっていた能力ではない。
のちにゴクドーもジャークルシファーで使用しているが、あれもベルゼブを人質に取ったゴクドーが、ファルゼブからやり方を訊いた結果なのだと思われる。

また、ゴクドーのジャークパワーの強さを証明するように、ハツコーイとの超次元融合に際して、ゴクドーはジャークフィールドを作るようなことをせずとも、その場で邪悪獣を切り裂くだけでスーパー邪悪獣を生み出している。
更に、最終的には、複数の邪悪獣と超次元融合するほどのジャークパワーを見せていることから、ゴクドーが、伊達にワルーサの跡目を継ぐべく現れてはいないことがよく分かる。


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