第6話「大逆転!ゲームの達人」


概要

太陽系の機械化を完了させねばならない歯車王だが、地球にゴウザウラーという邪魔者がいたため、その作戦活動は思うように運んでいなかった。そして、機械化帝国を統治する支配者・機械神も、遅々として進まぬ"太陽系機械化計画"に業を煮やし、早急な計画達成を指揮官の歯車王に通達。
歯車王の考えは、ゴウザウラーの打倒こそ地球攻略の近道であるというものであったため、今回も従者の機械人・ギーグに機械化獣を製作させ、その誕生を待って作戦活動に移る手筈となっていた。

実行

ギーグは機械化獣の基となる故障した機械を探して町中を歩き回り、ようやくあるゲームセンターにて、故障したクレーンゲーム機を発見。即座にそれを機械化獣デビルキャッチャーへと改造する。
折しもそこには、ゴウザウラーを操縦するザウラーズのメンバーも数人が集まっていた。
と言うのも、ザウラーズのしのぶの祖母が「ゲームの達人」と称されるほどのゲームの天才であり、機械化獣を誕生させたゲームセンターで、偶然にもゲームに興じていたためであった。
機械化獣誕生の直前、クレーンゲームにてぬいぐるみを数個獲得していたザウラーズは、景品のぬいぐるみを嗜好するデビルキャッチャーの標的となり、デビルキャッチャーはザウラーズを襲撃する。
更に自分たちが追われている原因がゲームの景品のぬいぐるみであると気付いた拳一がデビルキャッチャー目掛けてぬいぐるみを投げ付けたため、この行為にデビルキャッチャーは怒りを露にし、事態は機械化帝国にとって好転し続けていた。
しかし、そこに拳一から連絡を受けたザウラージェットが飛来。各ザウラーメカに分離すると、そのうちの1体・ランドステゴがデビルキャッチャーの前に立ちはだかったため、デビルキャッチャーは、窮地に立たされる。
この事態に歯車王は、即座に機械化獣巨大改造を施し、デビルキャッチャーを強化。ランドステゴを軽くあしらうと、ザウラーメカへの搭乗が遅れていたザウラーズメンバーとしのぶの祖母に襲いかかるが、寸手のところでこれをサンダーブラキオに救助されてしまう。
そこで本格的に戦闘に入ったデビルキャッチャーは、体内の爆弾を各ザウラーメカに投げ付けると、そのうちのサンダーブラキオに電撃による追い打ちをかけ、更に鋏で一撃を加え、パイロットのしのぶの意識が朦朧とした状態となったため、動かなくなったサンダーブラキオから片付けようと、デビルキャッチャーはとどめを加えんとする。
しかし間一髪、サンダーブラキオに救助されていたしのぶの祖母が操縦席にやってくると、デビルキャッチャーに反撃。そこでデビルキャッチャーは体内の爆弾を次々と投擲して攻撃するが、「ゲームの達人」であるしのぶの祖母がサポートするサンダーブラキオや、現代っ子のザウラーズが操縦する各ザウラーメカには、武器である爆弾をゲーム感覚で全て撃ち落とされてしまい、爆弾が底を突いた一瞬の隙にゴウザウラーへの合体を許してしまう。
そこで、ゴウザウラーに攻撃を加えるデビルキャッチャーだったが、ゴウザウラーとは戦力が比較にならず、ザウラーマグマフィニッシュで呆気なく破壊されてしまう。
こうして今回も、"太陽系機械化計画"を進展させることはできず、歯車王は敗戦を積み重ねてしまうのだった。

分析

ギーグが、「故障した機械しか機械化獣にすることができない」という時点で、機械化獣の基となる素材選択の幅は自然と狭まり、これが足枷の1つとなっているのは間違いない。
しかし、どんな機械を素材としても、誕生した機械化獣の能力にはそれぞれ個体差があり、その能力を最大限引き出して作戦を成功に導くことこそ、指揮官の歯車王に課せられた仕事であるから、如何なる機械化獣もその運用次第で、勝利を掴む可能性も、敗北する可能性もあるのだ。
ただ、今回の戦闘にあっては、機械化獣の能力同様、人間の「個体差」が、勝敗を決したとも言える。
機械がある方向性に特化して、作業内容によって向き、不向きがあるように、人間も各人が得意、不得意を持っている。その突出して得意なことが特技であり、個性なのである。
しのぶの祖母は、「ゲームの達人」と呼ばれるほどゲームを得意とする人物であり、そのような人物がサンダーブラキオに乗り込んでいた時点で、クレーンゲーム機が素材だったデビルキャッチャーは、敗れ去る運命にあったのかもしれない。
しかし、偶然とは言え、機械化獣が誕生した現場に生身のザウラーズが大勢いたのだから、このチャンスを逃した時点で、今回の勝率は大きくダウンしてしまったと言っても、決して過言ではないだろう。
そして何より、機械神が計画の早期達成を通達してきたにもかかわらず、相変わらずギーグによる機械化獣誕生まで動かなかった歯車王も危機感に乏しかった感は否めず、今回の作戦も含めて数多くの勝機を逃し続けたことが、後々、己の身を滅ぼす結果に繋がったことを考えても、歯車王には、指揮官として、一戦一戦が「最後のチャンス」という気持ちで、毎回の任務に当たって欲しかったところである。

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