第13話「ザウラーズTV大騒動」


概要

月の機械化城では、またも姿を現した機械神が、歯車王に一刻の猶予もないことと、太陽系の機械化が果たせなければ次なる王の首とすげ替えることを通告する。機械神に「次なる王など不必要」と返す歯車王。そんな歯車王に味方するかのように、地球ではザウラーズを主役にしたテレビドラマの撮影が、春風テレビの企画によって進められていた。そして、その撮影現場では、図らずもギーグが、機械化獣ゴーストビジョンを誕生させる。
テレビ出演という一大イベントに浮かれ、撮影現場に本物の機械化獣がいようとは予想もしないザウラーズの隙を突ければ、歯車王が勝利する可能性も、なきにしもあらずであろう。

実行

テレビ番組「熱血最強ゴウザウラー対大怪獣グチャゲラン」の撮影が開始され、リアリズムを求める監督の意向により、グチャゲランに向けて、サンダーキャノンが発射される。しかし、テレビのセットでしかないグチャゲランは大破し、撮影困難な状況となってしまう。
一方、何もしないうちからゴウザウラーが現れたと狼狽するギーグに、歯車王は地球の機械化作業を後回しにし、先にゴウザウラーを打倒することを宣言。ゴーストビジョンに機械化獣巨大改造を施し、3体のザウラーメカに先制攻撃を行う。
突然の本物の機械化獣来襲に、戦闘態勢に移ろうとするザウラーズ。が、テレビ局の監督はゴーストビジョンを利用したテレビ撮影の続行を画策、ザウラーズをも「スターの座」を餌に説得する。
果たして、台本通りの攻撃で一気に攻めてゴウザウラーに合体、とどめの態勢をとるザウラーズ。ところが、次は「ゴウザウラーのピンチシーンである」と、監督がゴウザウラーの勢いを止めてしまう。これに乗じて反撃に転じた歯車王は、ゴーストビジョンのミサイルを見舞うと、続いて腕から機械化獣の虚像を投影して分身を生み出し、惑乱戦法を展開する。
あくまでもテレビ撮影を重視する監督は、本体の分からない機械化獣に対して必殺技を使えと指示するが、台本通りに事が運ぶ筈もなく、次第に歯車王の勝利も現実味を帯びてくる。
しかし、「負けてしまってはスターどころではない」とのエリーの決断によって、台本に拘らない自分達本来の戦い方をすることを選んだザウラーズはザウラーシールドとザウラーブレードを巧みに使い、攻防一体となった戦法で一気に逆転する。そして、ザウラーマグマフィニッシュの一撃によってゴーストビジョンは破壊され、いよいよ後がなくなった歯車王は次戦の必勝を期して、ギーグと共に退却するのだった。

分析

適当に素材を選んで誕生させた機械化獣ゴーストビジョン。だが、その特殊能力を活かした戦闘能力は低くはなく、機械化獣の性能自体は悪くはなかったと判断する。
驚くべきは、ザウラーズの子供であるがゆえの柔軟な発想力と反射神経で、ザウラーシールドから繰り出すスピンブーメランとシールドビームを有効に使用して劣勢の状況を逆転したこと、ゴーストビジョンの攻撃を尽く防いだザウラーブレードの剣さばきなど、敵ながら見事であった。
テレビ出演に浮つくザウラーズに加えて「台本通りに戦え」という監督の無茶な要求もあって、優勢な戦闘を展開できた歯車王。だが、本領を発揮したゴウザウラーに、あっさりと敗北したところを見ると、戦闘経験を積んだザウラーズが操縦するゴウザウラーは、もはや歯車王の手に負えない脅威となってしまったことが、今回の敗戦から窺い知れた。
また、恐らく機械神は、今回の出撃で歯車王が結果を出せなかった場合は、次なる王を派遣することを決めていたものと推測する。次戦、出撃に臨む歯車王に機械神が最後通告を行ったのは、今回の敗戦が歯車王の処分を確定させたためではないだろうか。

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