第18話「復活!マグナザウラー」


概要

ハイパーエナジーミサイルでのゴウザウラー抹殺を失策した電気王は、機械化獣バロンガーノンと共に、改めてゴウザウラー打倒に挑戦する。
一方ザウラーズは、マグナザウラーの探索を、時空の穴へと入った金太に託し、金太が戻ってくるまで敵の攻撃に耐え抜こうと決意を新たにする。
そして金太は、必ずマグナザウラーを持って帰ることを、心に固く誓う。
こうして三者三様の固い決意がぶつかり合う中、ザウラーズと電気王の初戦は佳境を迎えるのだった。

実行

時空の穴を通り抜けた金太は、エルドランが機械化帝国と戦う6400万年前の世界へと辿り着き、その時代を闊歩する機械化獣ボルトロボの大群に遭遇する。そして、複数のボルトロボから一斉射撃されるティラノサウルスを目の当たりにした金太は、義侠心からそれを助けるのだが、金太自身は、ボルトロボの攻撃を受けて気を失い、あまつさえレーダーが故障してしまったため、マグナザウラー探索に余計な時間を空費してしまう。だが、ザウラーブレスの反応から、火口の中で遂に新たなロボット・マグナザウラーの恐竜形態・マグナティラノを発見した金太は、噴火が始まるアクシデントに遭遇しながらも、マグナティラノの内部に乗り込むことに成功する。そして、ロボットを入手するという目的を果たした金太は、時空の穴を通り、ゴウザウラーの待つ元の世界へと還ろうとする。が、噴火する火山の火口からマグマと共に出現したマグナティラノの存在に気付いたボルトロボ軍団が金太の帰還を妨害したため、時空の穴は金太の目の前で消滅。金太は、元の世界へ還る手段を失ってしまう。
一方、現代の北極で、デスボルトと機械化獣バロンガーノンのタッグと交戦するゴウザウラーは、金太が戻ってくるまでの奮戦を誓ったものの、形勢不利は拭えず、敵の強力な攻撃の前に苦戦を強いられる。そこで、金太の帰還までもたせんと、電気王の挑発にも乗ることなく、時間稼ぎを目的とした逃げの戦法をとるゴウザウラーだったが、運悪く北極の大地がひび割れを起こして陥没。ゴウザウラーは、身動きが取れない状態になってしまったうえ、時空の穴の消滅に、金太が帰還する望みも断たれたザウラーズは意気阻喪してしまう。
このゴウザウラーに失望の念を禁じ得ない電気王は、戦いの決着をつけるべく、ボルトソードで斬りかかる。しかし次の瞬間、北極の大地から氷山が出現すると、その中からマグナティラノが姿を現した。時空の穴の消滅に元の時代へ還る手段を失った金太は、6400万年前の世界で遭遇したエルドランによって現代へと送られていたのだ。
こうしてゴウザウラーとマグナザウラー、デスボルトとバロンガーノンの数的優劣の差もなくなった中、戦いのボルテージアップに嬉々とする電気王。一方、ダメージを被ったゴウザウラーを、マグナザウラーがカバーする戦法をとったザウラーズは、マグナザウラーのバスターモードであるマグナバスターから発射されたザウラービッグバスターで、バロンガーノンを一撃のもとに爆発四散させた。
かくして、マグナザウラーの出現に戦いの更なる激化を予感した電気王はそれを喜ぶと、初陣を飾れなかった悔しさなど大して感じさせずに退却していくのだった。

分析

ゴウザウラーを倒すチャンスはハイパーエナジーミサイルを失った後も十分にあった。それはマグナザウラー探索に向かった金太を待つゴウザウラーと、デスボルト&バロンガーノンとの戦いの様子からも明らかで、マグナザウラーの戻ってくるタイミング如何によっては、ゴウザウラーを破壊してしまうことも、決して不可能ではなかったと思われる。
その一方で、初陣の電気王の行動にはあまりにも個人的な信念やプライドを優先させるものが多く、組織の指揮官としての判断力に甚だ疑問が感じられたのも、また事実であろう。この後も電気王は、数々の勝機を逃すことになるのだが、そこには必ず、電気王の「力こそ全て」という信念と、「力ある者との戦いこそが喜び」という個人的な嗜好が絡んでいるのだ。
電気王が、このような性格になってしまった理由は不明ではあるものの、機械神が歯車王よりも強力な機械王を求めた結果、誕生したのが電気王だったことを考えれば、ゴウザウラーの妨害を跳ね除けられるだけの力を与えたことが、その一因であったようにも思える。
なにはともあれ、電気王が「打倒ゴウザウラー」という個人的な欲求を優先しすぎるあまり、機械化帝国にとっての本来の目的である「地球の機械化」が二の次となってしまったような印象は、実感としても強く、実際にもそうであったと言える。しかしながらその結果として、機械化帝国という組織自体にもたらされる利益が少なくなってしまったのは、実は電気王を創造した機械神にとっても予想外の、遺憾な出来事だったのかもしれない。

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