第19話「ザウラーズ大反乱!?」


概要

初陣を落とした電気王は「打倒ゴウザウラー」という目的を果たすために、改めてザウラーズに戦いを挑むことにする。そんな自分の部下となる新たな機械化獣の素材として、戦闘機を選んだ電気王は、それを巨大発動によって、戦闘機械化獣ガンドップラーに変えた。
その頃、ザウラーズは、学業と地球防衛の両立を訴える中島先生に反発。防衛隊の武田長官の「ザウラーズは小学生を辞め、防衛隊特別隊員とする」という案に乗ったものの、自分たちの今後の人生を考えた瞬間に、その結束は揺らぎを見せていた。
こうして、ザウラーズのメンバーが文字通り一枚岩ではなくなっていた間隙を突く形で、電気王2戦目の幕は上がった。

実行

戦闘機械化獣ガンドップラーを従えた電気王は、防衛隊基地にザウラーメカを発見するやいなや、機械化獣のミサイルによる先制攻撃を仕掛けると、続け様にデスボルトを呼び出して、一気呵成に攻め立てた。実は、この時のザウラーメカは殆どが無人の状態で、パイロットは拳一としのぶの2人しか乗ってはいなかったのだ。だが電気王の強襲を受け、このままではやられると判断した拳一は、ゴウザウラーへの合体を敢行し、電気王のデスボルトに応戦しようとする。
しかし、もう一体の敵・ガンドップラーと連携したデスボルトの攻撃の前に、他のザウラーズメンバーをゴウザウラーに搭乗させる機会は得られず、本来の力を発揮することができないゴウザウラーは、デスボルトの連続攻撃によって、徐々に追い詰められていく。
更に、無人の状態だったマグナティラノも、ガンドップラーが捕獲したために、パイロットの金太が乗り込むことができず、ゴウザウラーを救助に向かった防衛隊の戦車隊も、デスボルトの攻撃に一瞬で殲滅されてしまう。
そしてデスボルトが繰り出す攻撃に、全く反撃することができないゴウザウラーを見て、対戦相手としての興味を失った電気王は、とどめのボルトブレスターを放とうとする。しかし次の瞬間、一発の砲撃がデスボルトに見舞われる。それはザウラーズである6年2組担任・中島先生が運転するジープから放たれたものだった。教え子の生命の危機を前に、自分がデスボルトの目を引き付けて隙を作らんとした中島先生の行動であったのだが、戦いの邪魔をされたと怒る電気王は、中島先生の運転するジープを始末せんとする。
だが、中島先生が作ったこの隙に立ち上がったゴウザウラーがデスボルトを制して、マグナティラノを捕獲したガンドップラーに攻撃を加えたことで、金太はマグナティラノへの搭乗を成功させる。そして、マグナティラノから変形したマグナザウラーが、デスボルトとガンドップラーの相手をしている間に、残りのザウラーズメンバーを搭乗させたゴウザウラーはその本領を発揮。必殺のザウラービッグバスターでガンドップラーを一撃のもとに破壊する。
こうして機械化獣を倒された電気王は、次戦の勝利を期して引き上げていくのだった。

分析

電気王が「打倒ゴウザウラー」に拘っているのは前回の初陣の時と同じだが、あと一歩で勝利を手中に収められそうになりながら、逆転負けを喫した展開までもが同じになってしまった。
今回の敗戦に至った分岐点は、陽動を試みた中島先生のジープに、電気王が目を奪われたところなのだが、実はこの分岐点には、電気王が勝ち切れない理由の一端が隠されていることに気が付く。
電気王はその性格上、力ある者=強者との戦いを望んでいる一方で、力なきもの=弱者を軽視する傾向が見られる。無論、単純な戦闘力では、中島先生の運転するジープなど、ゴウザウラーと比較するまでもなく弱いのだが、この時の中島先生は非力であっても無力ではない。そして非力も、考えようによっては力なのである。
今回の戦闘では電気王が強力な敵=ゴウザウラーとの戦いを重要視するあまりに、軽視していた非力な敵=中島先生のジープに隙を作られ、手痛い大逆転負けを喫する結果となってしまった。電気王は、強者を恐れない姿勢は十分に持ち合わせていた。だが一方で、弱者をみくびらないという姿勢は、残念ながら持ち合わせてはいなかった。「強力な力」にばかり気を取られ、「非力な力」を侮っていた点も、電気王が勝利を掴み切れなかった理由のひとつと言えるのではないだろうか。

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