第41話「サバイバル!恐竜時代」


概要

偽グラントプスに襲われたゴウザウラーは、情報を集めるために戦線を離脱することを決意。ザウラーボンバーを偽グラントプスに撃ち込むと、その隙に逃走する。
一方、偽マッハプテラ、偽サンダーブラキオ、偽ランドステゴに追われていたマグナティラノも、その追撃を上手くかわし、グラントプスもまた、偽マグナティラノを振り切ることに成功していた。
ザウラーズにとっては謎が多すぎる中、ゴウザウラーのクルーは空腹を満たすために食料探しを開始。 そして多くのザウラーズメンバーが食料調達に失敗する中、真っ先に空腹を訴えていたマーボーが恐竜の巣から卵を入手。これを茹でようとするも、その直前に、卵から恐竜の赤ちゃん(=チビ助)が孵化してしまう。 その結果、卵を食すことはできなかったが、改めて食料探しに出かけていた拳一たちが、大量のアンモナイトに襲われつつも、それを持ち帰ったため、ゴウザウラーのクルーは、一旦、空腹を満たすことができたのだった。
同じ頃、マグナザウラーの金太、グランザウラーの洋二にとっても、食糧問題は深刻だったが、その時、数多くの恐竜たちが、ある一点に向かって集団移動を始めた。 これに異変を察知したザウラーズは恐竜たちについて行くのだった。

実行

恐竜たちが向かった先では、恐竜が、機械化獣ボルトロボの軍団と戦っていた。 そこに到着したゴウザウラーは恐竜たちに加勢するも、ボルトロボの数の多さに苦戦を強いられる。 しかしそこに、やはり恐竜たちの後を追っていたマグナティラノが登場。ゴウザウラーを助けると、金太が拳一たちに、偽ゴウザウラーに襲われたことを告げたため、ザウラーズは偽者が存在することを認知するのだった。
その時、このままでは勝てないと判断したかのように、ボルトロボ軍団はパーツ毎に分解後、再合体を果たしてハイパーボルトロボに変貌。 その巨体から繰り出されるパワーを最大の武器とするハイパーボルトロボは、ミサイルと破壊光線を駆使しながら、ゴウザウラーと、マグナティラノが変形したマグナザウラーに対して、優勢な戦闘を展開していく。 そして、ハイパーボルトロボが、ゴウザウラーにとどめを刺そうと右腕を振り上げた次の瞬間、そこに突如合流してきたグラントプスが攻撃を行ったため、ハイパーボルトロボは右腕を失うという大ダメージを被ってしまう。 そこでハイパーボルトロボは、グラントプスに向けて破壊光線を発射するも、それを簡単にかわされると逆にトリケラショットを浴びせられ、そのままグランザウラーのザウラーグランドスラッシュで倒されてしまうのだった。
こうして無事に仲間と合流を果たし、全員が揃ったザウラーズは、恐竜たちが咆吼を向ける機械の塔に向かう。そこは、恐竜時代の地球に攻め入った原子王が根城にする、「機械化帝国の聖域」であった。 エルドランに連勝中の原子王は、そこに現れたザウラーロボに、エルドランが搭乗していると思っているため、エルドランが血迷ったか、さもなくば、ダークゴウザウラーの入手経緯を知りたくなったかと語りながら、その姿をザウラーロボの前に現す。 そして原子王は、ギルターボの頭部というデータボックスを機械神が送ってくれたと言うと、偽ゴウザウラー、偽マグナザウラー、偽グランザウラーを出現させた。
未だ全貌が掴めないザウラーズは、唯一確信が持てる「原子王が敵である」ということから、キングゴウザウラーに超熱血合体するが、戦いの決着をつけようとする原子王もまた、 3体の偽ザウラーロボを、キングゴウザウラーと同形態のダークゴウザウラーに超鋼鉄合体させたのだった。
果たして、キングゴウザウラーとダークゴウザウラーは剣を交えるが、性能で勝るダークゴウザウラーのダークブレードの前に、キングゴウザウラーは吹き飛び、大地に倒れる。勝ち誇る原子王は、キングゴウザウラーにとどめを刺すべく、ダークブレードを振り下ろしたのだった。

分析

6400万年前の世界にザウラーズがやってきたものの、仮に原子王がザウラーズの情報を得ていたならば、やりようによっては攻略可能な相手であったハズだ。
ザウラーズは、時空の穴の中でゴウザウラー組とマグナザウラー、グランザウラーの三手に分かれて、離ればなれになってしまった。 そして彼らは、機械化された地面の影響で、接近しなければ通信が行えず、エルドランが苦戦している相手がどんな敵なのかも知らなかったのだから、ダークゴウザウラーを上手く使えば、彼らを混乱させることもできたし、 その混乱から、ザウラーズを疑心暗鬼にさせることもできたハズなのだ。
あるいは、ザウラーズが恐竜時代のサバイバル生活に疲弊した頃合いを見計らって、決戦を挑むという戦法もとれたと思われる。 ザウラーズの子供たちにとって、現代とは自然環境の違う恐竜時代を生き抜くこと自体が難しく、ゴウザウラー内部のトイレの水が既に底を尽いていたという事実は、その危機的状況を如実に象徴している。 また、勝手に恐竜のエサと化していた可能性もなかったとは言い切れず、長期戦に持ち込んでいれば、また違った展望が開けていただろう。
しかし実際には、ザウラーズなる子供たちが、エルドランの救援にやってきていたことを、原子王が知らなかったため、上記のような作戦をとることもできなかった。 更に、ザウラーズは後にエルドランから、原子王のこととダークゴウザウラーが出現した経緯を教えて貰っている。 一方の原子王は、自分はエルドランと戦っているのだと思っており、ザウラーズそのものについては、最後までその詳細を知ることはなかった。
「彼を知り己を知れば百戦殆からず。彼を知らずして己を知れば一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば戦う毎に必ず殆し」。 敵のことを知り、自分自身のことを知って、初めて勝率は100%に近付く訳だ。つまり、ザウラーズという未知なる敵が、恐竜時代に闖入した瞬間に、原子王の勝率は、50%まで低下してしまったと言っても、決して過言ではないのである。
また原子王は、キングゴウザウラーのデータを元にしてダークゴウザウラーを造り上げながら、長時間の戦闘に耐えられないという致命的な弱点を、放置しておいたままであった。 この点から考えると、原子王が自身の操縦するロボットのことをどこまで理解していたかということさえ甚だ疑問であり、仮にダークゴウザウラーのことを熟知していなかったのなら、原子王の勝率は限りなくゼロに近かった。
また、他の機械王とは違って、原子王は機械神から逐一の命令を受けてはいない。 機械神と直接コミュニケーションを取れていない状況の中、事前に与えられた情報と、ギルターボの頭部から得た追加情報を頼りに、自らの判断で物事を進めなければならなかった原子王の不利は、残念ながら拭えなかったと言えるだろう。
ただ、ザウラーズが恐竜の赤ちゃん・チビ助と出会ったことや、恐竜たちが一斉に「機械化帝国の聖域」に向かって進撃していったことは、原子王にとっては不運であった。 前者は、原子王の隕石落下作戦を阻止する一因となり、後者は、散り散りになっていたザウラーズメンバーが、全員集合するという結果に繋がってしまった。しかも前者は、原子王にはどうすることもできない不可抗力であったのだから尚更である。
以上のような展開や、この後に起こった事態を踏まえて考えると、やはり初対戦の際にキングゴウザウラーを倒し切れなかった時点で、全体的な勝敗の帰趨は決してしまったと言わざるを得ない。 正体不明の敵に、ザウラーズが訳の分からないうちにやられる。これ以外に、原子王が勝利する方法は、なかったかもしれないのだから。

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